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2017/11/30

植物を育てることの半分は根っこを育てること。

前回の復習をまずしておきますと、鉢植えの水やりの基本は、鉢の表面が乾いたら、そこ穴から水が流れ出るぐらいにたっぷりと水を与える、ということでした。これは根っこに空気を与えられる有効な方法だからです。しかし植物は環境に合わせることで進化しましたので、そうではない例外の植物もあります。例えば藻や海藻など完全に水没して生きていくものもありますし、そこまで極端でなくてもアザレアやつつじの仲間のように、いくら水をやってもいいものもあります。また稲は水を張ったり抜いたりしながら育てると大きく育ちます。

稲は田植えの時には水を張った状態の田んぼに植えます。そして根が活着してある程度大きくなるまで水を張ったままにします。その後水を抜いて育て途中で水を張って水分を補給したり空気を補給したりしながら育てると、一番大きく育ってたくさんのコメを収穫できます。
この方法は日本ではとうの昔から確立されていますが、たぶん農業が始まったころはこうではなかったかもしれません。ぐうぜん梅雨時期に長雨があって、そのころに植えた苗がよく育ち且つ植え付けが楽であることから、なるべく水が張りやすい梅雨時期に田植えをすることが確立したのでしょう。また途中で水を抜いてかなりドライな状態で育てますが、これも梅雨明けに水が切れた時のほうが収量が多いことを理解して、あえて水を抜くという管理方法が確立したと思われます。つまり偶然に起こる気象条件の違いから収量がいい時の状況を分析し、一番楽に大きく育てる方法を確立していったのだと思われます。(稲作は最初は直播であったろうと思いますが、ある程度間隔をあけて育てたほうが多く収穫できることや、稲を植えている以外の時期を他の作物を植えることで有効活用したりすることができるなどのメリットから、苗を育ててから田植えをするという方法が確立したものと思われます。)

ここで重要なことは、人間は植物に対してとりわけ何かしているのではありません。やっていることは根が多く張るために水の量を管理しているだけです。もちろん雑草を抜いたり鳥に食べられないようにしたりといった管理もしますが、直接稲という植物にかかわっているのは、いかに根っこを元気に大きく育てるか、ということです。
これは鉢植えの植物においても同じで、田んぼよりはるかに狭いスペースで管理するためにはもっと細やかな管理が必要になります。いずれにせよ、
植物を育てることは根っこを育てること!そう思ってもあながち大げさではありません。地味で目に見えない根っこをイメージして育てられるようになれば、もう園芸初心者は卒業です。

2017/11/29

水やりは水をやっているだけではありません。

植物を育てていて、皆さんが一番気になるのが水やりです。前回書いたように本当は暗さが原因で枯らしてしまうことが多いのですが、やはり水やりもやり方によっては深刻な状況になってしまいます。ここからはしばらく水やりについて書きたいと思います。

水やりというぐらいですから、植物に必要な水を与えているのが水やりなのですが、実はやっているのは水だけではなく、新鮮な空気を与えているという視点が大切です。

根っこは水を吸収し、植物を支えている器官なのですが、植物の体はすべて呼吸しているので、根っこもまた呼吸しています。人間も皮膚呼吸をしていますが、それと同じような感覚です。呼吸は酸素を取り込んで二酸化炭素を排出するのですが、要は土の中に新鮮な空気が必要になるわけです。

鉢植えの水やりは、基本的には(多くの植物においては)、鉢の表面の土が乾いたら底の穴から水が出るぐらいの量の水を与える、というのが正しいやり方です。この水やりをした場合に鉢の中ではどんな状態になっているのでしょうか。

底穴から水が出るくらいのたっぷりの水をやると、いったん鉢の中は水で満たされます。そして底の穴から水が抜けていき、土の上にたまっている水は下にひいていきます。水で満たされているときには、鉢の中にはほとんど空気は存在しません。水浸しの状態です。そして穴から水が抜けていくと上から水が引いていきますが、水が引いた状態というのは隙間があるということで、隙間があれば間違いなくそこには空気が存在します。つまり水が引いていくにつれて、鉢に中に上から空気が侵入していくということになります。完全に水が引き、鉢底からもう水が出なくなった時点で、鉢の中の空気は新鮮な空気に更新されています。

この空気があることで根っこは呼吸ができるのです。呼吸ができれば根っこの細胞は活性化し元気に活動します。その結果として呼吸をし、徐々に二酸化炭素を放出します。この二酸化炭素は土の中の空気はそうそう入れ替わらないので、どんどん濃度が上がってしまいますが、水がなくなるにつれて少しづつ新しい空気は上から入っていきます。それでも二酸化炭素の濃度は上がってしまうのですが、そのころには水が切れますので、次の水やりの時に新しい空気を入れてやればまた新しい空気で呼吸をすることができます。

時々水を切らすことを恐れるあまり、あるいは水やりを日課にしてしまって、少量の水を毎日与えるという水やりをする方がいらっしゃいます。この方法では水は切れませんが、空気の入れ替えがほとんどできませんので、結局呼吸ができずに細胞が死んで腐り始めます。これが根腐れという状態です。

 

つまり鉢植えの水やりというのは、水を与えているだけではなく、新鮮な空気を与えているのだ!ということを理解すれば、水やりは間隔をあけて、土が乾燥してきたらたっぷりと与える、という方法が正しいことが理解できると思います。この「なぜそういう方法なのか」という視点で考えることが、園芸上達の近道でしょう。

2017/11/21

鉢植えはなぜ育てるのが難しいのか

鉢植えというものがあるおかげで、庭や畑がない方でも植物を楽しむことができます。しかし実際は鉢植えを管理することは大変難しいのです。皆さん鉢植えを当たり前のように育てていますが、実際は鉢植えは植物にとって不自然極まりない環境で、少し環境が合わなければすぐに枯れてしまう危険性を持っています。

そもそも植物は外で育つとしたものです。様々な環境があるとはいえ、植物は自分が必要とするだけ根を伸ばし、太陽の光を存分に浴び、あるいは木陰の明るさを好んで育ったりします。そのような自由な環境で育つべき植物を、鉢という狭い環境に移すことで何が起こるのでしょうか。

まず小さな鉢で育てることで、根が自由に張れないということが起こります。そもそも
根っこが伸びた分に比例して葉っぱや茎や地上の部分は育ちます。言い換えれば、根っこがたくさん出せるほど大きく育つのです。欧米の園芸書を読むと、root system という言葉で表現されていて、いかに根っこを元気にたくさん繁らせるかが園芸のキモだと述べられています。
そのためにはまず鉢が排水性・通気性に優れていること、そして培養土が保水性・排水性・通気性などに優れている必要があります。このあたりの話は後々詳しくお話ししたいと思いますが、要するにいかに狭い鉢の中に根っこをたくさん繁らせるかが大切で、これに失敗するとうまく育たない、あるいは枯れてしまうということになります。

もう一つ鉢植えにすることで起こることは、人間が動かしてしまうということです。植物は本来動かないで生きることを前提にしていますので、環境が暗めであれば葉っぱを薄くしたり茎をのばしたりして対応します。しかし鉢植えにすると人間は好き勝手に自分の置きたい場所に移動してしまいます。せっかく育ってきた環境に順応していた植物にとっては、移動して環境が変わると即生命の危機に直面してしまいます。生産者のハウスから出て、市場・生花店そしてお客様の自宅へと移動したあげく、生産者のハウスの環境に近いところに置いていただければいいのですが、なかなかそうはいきません。
また、しばらく暗いところに置いた植物(暗さに順応している)植物を、いきなり晴天の屋外に出してしまうというのも危険です。表面が薄くなった葉っぱが日焼けしてしまい、葉っぱの細胞が死んで光合成できなくなり、一気に枯れてしまうこともあります。

このように、鉢植えは管理がとても難しいのです。庭や畑といった広い環境で育てると、植物を育てることは意外と簡単なことが実感できるでしょう。もし鉢植えでお悩みの方は、花壇を作るか、それができなければ大きな鉢やプランターで育ててみることをお勧めします。そもそも植物は、地球という限りなく大きな入れ物で育っています。できるだけ広い場所で育ててみましょう。鉢植えは鉢が小さいほど難しいのです。
盆栽は小さな鉢で育てることで様々な効果を生み出すものですが、あれは園芸技術の極みです。一番難しい作業を見て、誰でも同じことができるものだとは思わないでください。

実は鉢植えというだけで、それを育てるのはものすごく難しい、という認識が必要です。

2017/11/11

明るさが足りないと葉っぱを落として耐え忍びます。。。

明るさが足りないと植物はどういう状態になるかのお話をします。

まず花鉢にしろ観葉植物にしろラン鉢にしろ、鉢植えは温室の中で生産されています。温室はビニールの場合もありますが、最近ではガラス温室が多いと思います。ガラス温室のほうが光の透過性がいいので、植物がよく育ちます。
そのうえで必要に応じて、寒冷紗という光の量を調節するフィルターのようなもので、光の量を調節しながら育てられています。その明るさはレースのカーテン越しより少し明るいかなというレベルではないでしょうか。元々はかなり明るい場所で育っているのです。

さて
光の量が少なくなると、まず植物は茎を長く伸ばし始めます。葉っぱの量はそのままで、葉っぱと葉っぱのあいだの間隔が長くなっていく感じです。結果としてひょろひょろとした見た目になってしまい、後に十分な明るさを与えても、いったん伸びた茎は縮むことはありませんので、見た目は悪いままで、茎は細くなり、安定も悪くなります。なるべく明るいところで育てるにこしたことはないですね。
これは植物に備わっている本能のようなもので、暗いと茎をのばせ!というホルモンが出て伸びるのだそうです。光を少しでも効率よく取り込むために、暗いところから脱出して明るいところで葉を作るための生存本能なのです。

ではもっと暗いところに置いてしまった場合はどうなるでしょうか。今までの明るさで作り出せていたでんぷんを作り出すことができなくなってしまうので、
ご飯の量が足りません。すると多くの植物は体の一部を削って少ないでんぷんでもバランスがとれるように調整します。具体的に言えば「葉っぱを落とす」という反応です。基本的には古い葉っぱや日当たりの悪い下の葉っぱから落ちていきます。

基本的に葉っぱは日当たりが悪いとまずは黄色くなり、そして葉っぱが茎から外れます。実はこの作用のおかげで葉っぱは効率よくすべての葉っぱが光合成できるようになっているのです。
しかしこの反応はあくまで緊急避難であり、ある程度暗い状況なら少し葉っぱが減ったところでバランスが取れるのですが、
もっと暗すぎる状態が続くと、暗い→葉っぱを落とす→生産量が減る→ますます葉っぱを落とすという悪循環に陥り
最後には葉っぱがなくなって枯れてしまうということになります。
植物にしてみれば、火山が噴火したか異常気象なのか、なんにせよそのうち晴れて新しい葉っぱを出せる時が来るだろうことを期待してその時まで耐え忍んでいるのですが、鉢植えにして人間が暗い状態を維持してしまえば、その期待もむなしく枯れてしまうということになります。。。

光が少ないことで起こる植物の反応に、人間は気づいてあげなければいけません。
植物は声を出して訴えることはできません。ぜひ葉っぱを落とすという声なき声をくみ取ってあげてください。


2017/11/10

植物にとって必要な明るさは照度計アプリで測りましょう。

鉢植えを室内に置く際に一番大切なことは明るさです。お花を育てるのが苦手です~、という方といろいろお話をして枯らしてしまう原因を探っていくと、7割ぐらいは明るさが不足しています。水やりで枯らしてしまうと思いこんでいる方が多いのですが、植物に水をやらないといけないという事はさすがに9割ぐらいの方がわかっているので(1割ぐらいは水やりしないといけないことがわかっていないという驚愕の事実もありますが…)、水やりの上手い下手は別にしてある程度水はやってくれています。ところが光を与えない=ご飯を与えないという方はいくらでもいらっしゃいます。

よく園芸書などには、窓際のレースのカーテン越しの場所に飾ってください、などと書いてあります。ではレースのカーテン越しの場所はどういう明るさなのでしょうか。
これは直射日光ではないけれども、相当明るい場所ということになります。例えばシクラメンやベゴニアなどの代表的な鉢植えの場合、直射日光が当たると葉っぱが焼けたり一気に体内の水が乾燥してしまったりして部分的に傷んでしまう場合があります。また、葉が厚くなったり色が悪くなる場合もあります。しかし明るすぎるからといって枯れるわけではなく、多少見た目が悪くなる可能性があるというレベルなので、暗すぎるよりは直射日光が当たるほうがまだ余程ましです。植物自体が明るさに慣れてくれば、直射日光でも大丈夫です。
前回も書きましたが、人間の目は優秀すぎるので、明るい場所に来るとすぐ光彩(目の絞り)を絞って調整し、暗いところに行けばその逆ですぐその暗さに順応してしまいます。そのせいで客観的な明るさを判断しにくいので、私がおすすめしているのは、スマホのアプリに照度計がありますので、ぜひそれをダウンロードして植物の置き場所の明るさを測ってください。
私の経験では、だいたいの室内向けの植物は1000ルクスが最低限必要です。ところがリビングルームでも部屋の中央あたりでは500ルクスぐらいしかないことも多いです。置き場所の直上にライトがあればまた別なのですが、昼間はあえてライトをつけないためややもすると夜間のライトをつけているときよりも暗いことも多いです。
照度計がない場合には、そこでライトをつけないで新聞が読めるかどうかで判断してください。ちょっと暗くて読みにくいなと思えばその明るさは植物にとって必要な明るさには達していません。

なかには、どうしても窓のないトイレの中に置きたいとか、マンションの玄関が暗いからお花を置いて明るい雰囲気にしたい、という方もいらっしゃいます。そういう場合にはぜひとも
小さなLEDなどが付いたスタンドライトやクリップライトを用意していただき、植物に光が当たるようにしてください。そして朝起きたらそのライトをつけて、寝る前に切るということを習慣にしてください。LEDなら電気代も知れています。照度計で測ってくれると一目瞭然ですが、小さなライトでも1000ルクス以上になっていると思います。
ちなみにレースのカーテン越しの場所は、晴れた日なら10000ルクス、曇天でも2000ルクスぐらいあると思います。

蛇足ですが、太陽の光でなければいけないと思いこんでいる方も多いですが、蛍光灯でもLEDでも大丈夫です。宇宙ステーションの中でも野菜工場の中でもそうですが、人口の光で植物はしっかり育ちます。

光合成は科学的な反応ですので、ぜひとも照度計のアプリで明るさを測ってみてください。窓際から1m部屋の中央に移動するだけで、全然明るさが違う!ということを実感していただくと、徐々に明るさを客観的に判断することができるようになってくるはずです。

2017/11/09

窓際は明るい?暖かい??

そろそろ植物にとって大切なことを順を追って書きていきたいのですが、まずはわかっていそうで勘違いしがちなことを書いておきたいと思います。

植物にとって光が大切なことは前に書きましたが、明るさとは別に暖かさ(気温)も大切です。しかしながらこの二つ全く違うことを混同している方が大変多いので、あえて説明したいと思います。
当然ながら明るさは光の量です。ルクスという単位で測ることがができますね。
一方暖かさは周辺の空気の温度=気温です。日本では℃であらわされますね。
よく「窓際の明るいところにおいてくださいね」というと、「暖かいところがいいんですね」というお返事が返ってきます。確かに窓際は暖かいというイメージがありますが、明るくても気温が低い場合はあります。また夏の室内など暗くても暑い場合もあります。
明るさと温かさを混同しないように心がけてください。

さらにこちらも人間が判断するのが苦手なことに湿度があります。実は植物は湿度が水やりなどに大きく関係しているほか、湿度が足りないと観葉植物などは、葉っぱがどんどんみすぼらしくなっていきます。また水やりの際、水を鉢にやらずに葉っぱに霧吹きでかけるという方もおられますが、水を吸うのは基本的に根っこです。喉が渇いた時にシャワーを浴びる人はいないと思うのですが、これもなぜかよくある勘違いです。霧吹きは湿度を一時的に高める効果はありますが、水やりとは全く別の概念です。湿度や水やりについては詳しく後述予定です。

他にも動物たる人間ゆえの勘違いはまだまだあるのですが、今回はとりあえず

明るさと温かさは全く別!!

ということを覚えておいてください。

2017/11/08

農業の農とはどういうこと?

今回は「農」という言葉について書きたいと思います。

 

農という漢字は農業に関すること以外ほとんど使うことがないと思います。そのため意味が今一つ漠然としていて今一つよくわからない気がします。
ネットで調べても、「田畑を耕して穀物や野菜などをつくる。」とか「農業(のうぎょう)とは、土地の力を利用して有用な植物を栽培し、また、有用な動物を飼養する、有機的な生産業のこと。(ウィキペディア)」などと書かれていて、それでも少しわかりにくいのではないでしょうか。

 

私なりにわかりやすく説明すると、まず膿という漢字を思い出してほしいのです。これは「うみ」で、人の体の炎症部などで自然発生的に生まれてくるものです。この漢字からヘンであるところの「月」を取り除いたものが「農」だということになりますから、農は自然に生まれてくるものであり、農業は自然に生まれてきたものを得るための仕事ということになります。

 

農業という仕事をよく眺めてみると、例えば米作りでもいいのですが、種をまいて苗を育て、田を作り水を張り、それを植えて草を抜き農薬や肥料をやりと、手間暇をかけて育てた挙句に刈り取ってコメをいただくのですが、よく考えてみれば人間は稲という植物の周りでいそいそと働いてはいますが、実際米という実を作っているのは稲という植物であり、人間はその環境を整えて手助けしているだけなのです。たとえば鉄鉱石から鉄を作り、その鉄からねじを作るような、積極的にかかわって元の姿とは全く別なものを作り出す人間の営みとは違っています。農業は植物が花や実などを作り出す営みを手助けしているにすぎないのです。

 

この「作るのは植物で、人間は環境を整えるのが仕事!」という点をしっかり理解すると、園芸においても植物とのかかわり方が変わってくるのではないでしょうか。たとえば桜の木は、ほっておいても春になれば花は咲くかもしれません。実際山に自生している桜は何もしないでもきれいに花を咲かせます。しかしそれを公園に植え替えればどうでしょうか。植替えの時に根が傷んでうまく育たなかったり、山に植わっていた時には気づかなかった虫がついていることに気づいて殺虫剤をやることになったり、山であればそれほどでもなかった雑草が桜の足元にぼうぼうになれば木の育ちも悪くなってしまいます。また大きくなり過ぎればどこかの枝を切らなくてはいけないといったこともあるでしょう。

植物が自然界から離れて人間の世界に足を踏み入れた時から、植物は一人で生きていくのは困難で、人間の手助けを必要とするのです。そこから園芸が生まれ、また収穫を目的とすればそれは農業となるのです。

 

どうでしょうか。花屋の経験から生まれてきた私なりの考えですが、農という言葉の意味をくみ取っていただければ幸いです。

2017/11/07

園芸とは植物を育てて人を喜ばせること

前回に引き続きというかこれからもずっとかもしれませんが(笑)根源的なお話をしたいと思います。今日は「園芸」という言葉についてです。

そもそも「芸」とは何かという話にならざるを得ないのですが、あくまで私なりの考えでは、芸とは「長い時間をかけて到達した、人を喜ばせるための技能」ではないかと思います。最初は師匠などについて基本的なことを学ぶのでしょうが、あとは個人の努力や突き詰めた考えがにじみ出たもので、究極はその人にしかできない極みの世界のようなものだと思います。まねができず、言葉で伝えることすらできない極致まで到達すれば、それはまさに至高の芸なのだと思います。工芸・演芸・武芸などをイメージしていただくとわかりやすいと思います。

そこで「園芸」なのですが、これはその名の通り「園」の「芸」で、庭や畑などで植物を育て、その成果の花や実や枝ぶりなどで見る人を楽しませる、喜んでいただく行為だと思います。辞書によっては芸にはそもそも「植える」という意味があると書いているものもありますが、やはり私は
園芸は庭の芸だと思っています。
他の人より大きな花を咲かせたり、たくさんの実をつけたり、今までにない色の花を作り出したり、そうやって人を感動させるのです。


園芸の基本的なことは園芸書にも書いてありますが、そもそも土の質・気候・その年の天気などによって対応が変わってきますので、教科書通りにやってもたいしたものにはなりません。毎年植物を育てながら、ああすればよかったこうすればよかったと悩みながら植物の事を知り抜いて初めて、人を感動させるレベルにまで到達します。これはまさに芸と言えるでしょう。

しかし普通に家庭でお花を育てて楽しむのなら、そこまで極める必要もありません。しかしその基本を押さえておかないと、玄関にお花を植えても、家族や通りすがりの人を喜ばせることもできないでしょう。そもそも植えた自分が一番悲しくなってしまいます。
趣味の庭づくりが高じて、オープンガーデンとして自宅の庭を解放されるレベルまでいけばそれは紛れもなく芸ですが、よほどの植物好きでないと難しいかもしれません。しかし玄関の数鉢の寄せ鉢やベランダのプランターで育てた野菜でも人を喜ばせることはありますし、そうであればそれは立派に「芸」として成立しているといえます。

園芸とは、長年かけて培ったその人なりの植物を美しく育てる技能や心がけです。芸事ですから、すぐに上達するものでもありません。どうぞあわてず騒がず気長に植物と付き合って、少しずつ植物の気持ちがわかるようになって下さい。そうすればきっと植物はその技や気持ちにこたえてくれて、それを見た人に感動を与えてくれるでしょう。人が喜び自分が喜び、それが糧となってまた植物を育てる。その繰り返しが園芸の道だと思います。


2017/11/06

園芸の手法よりも植物とは何かを知りましょう

今回より、新しいカテゴリーとして【園芸コラム-花屋的植物論】を書いていきたいと思います。

 

日頃お客様との接客の中で、○○の育て方といったいろいろなご質問を受けます。もっぱらどのように育てるか、言い換えれば、どうやったら枯れないかという問題です。
昔は園芸書とか、NHKの趣味の園芸などを見ていろいろ知識を蓄えながら、自分なりに考えを深めていくという形だったのですが、最近ではネットが普及したおかげで、
品種名_育て方
みたいなキーワードで簡単に基本的な育て方が調べられるようになりました。
ずいぶん便利になりましたし、おおむね間違ったことは書いていないのですが、昔の園芸書のころと変わらず、明るさ、温度、水やりといったことを列記しているばかりです。

 

実際には、水をやるにもなぜそういうやり方なのかとか、明るいレースのカーテン越しの場所においてくださいとか言われても、なぜそういう明るさがいいのかといったことまでは教えてくれません。
なので、ここではそういう「なぜ」に焦点を合わせたお話をしていきたいと思います。

 

まず今日のお話は、なぜ植物は「植物」という漢字があてられているのか(笑)という超根源的なでも非常に重要なお話です。

 

私達人間は動物ですが、生物は動物も植物も、生きていくためのエネルギーをどこかから調達しなければいけないのですが、動物は自ら動いて食べ物のところへ動いていきそれを体内に取り込むことでエネルギーを摂取します。一方植物は根があるので動くことができません。自ら捕食することができないのでどうやってエネルギー源を得るかというと、その大部分は【光合成】によってでんぷん(炭水化物)(有機物)を作り出すという方法で得ています。
つまり水と光があれば(二酸化炭素は普通にあるとして)自らご飯を作り出すことができるのです。
動物は生きるために動くので動く物=動物。植物は動かずに植わっていても生きていける物=植物。なのです。昔の人は頭いいですよね。

 

私達動物は、水が必要ということは直感的に理解するのですが、生きていくために光が必要ということはあまり実感がありません。ですが、植物にとって、光は命の源、ご飯なのです。十分な光が当たれば、それだけで最低限のエネルギーは得られるのです。逆に光が当たらなければ、餓死してしまいます。

 

では肥料とは何かといいますと、ざっくり言って人間の「おかず」だと思ってください。さらにミネラル分などの微量要素が入っている「活力剤」というものがありますが、あれはリポビタンDのようなものだと思ってください。おかずとリポビタンDだけでは決して健康にはなれないでしょう。
また、ペットを飼って餌をやらない人はいないですよね。ならば植物を育てようと思えば、必ず餌としての光を与えなければいけません!!是非とも、

 

植物にとって、光はご飯!

ということをしっかりと理解しておいてくださいね。

 

ではまた次回。

2017/11/04

周年祝胡蝶蘭5本立ち!

大手企業様の100周年祝にお届けした胡蝶蘭です。
Dsc06500
1本当たり11輪×5で55輪のお品物です。
花並びも整っていてつぼみもきれいにそろっている最上級品となります。

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お花がきれいに下まで垂れていますので、お名札は上にお付けします。

徳島への胡蝶蘭のお届けは当店までお気軽にお問い合わせください。
産地直送で、最上級品をご用意いたします。

http://posy87.com/phalae.html

2017/11/01

2017年 10月 ポージィおすすめ!アレンジ花束セレクション

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秋になるとシックな色合いが増えてきます。
ピンクッション、ベンケイソウ、バラ、カーネーション、緑の花はアジサイです。

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黄色とオレンジの組み合わせも秋の定番。
ガーベラ、スプレーバラ、アルストロメリア八重咲きの姫ひまわりなど。

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シックなえんじ色のケイトウなどで、秋のレッド系。
他には、ジニア(百日草)、オーニソガラム、バラ、ヒペリカム、など。

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ピンクッションを使った花束、近年種類が増えましたが、なかなか区別がつかないもの。この黄色系は違いがはっきり分かります。

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一番スタンダードなピンクッションを使ったアレンジ。黄色のケイトウがきれいです。

Dsc06165
こちらはプリザーブド。プリザーブドは長持ちするので、あまり季節感を盛り込まないようにしています。ブルーのバラとリボンがよく目立ちます。

Dsc06387
やっぱり秋はケイトウがいい仕事をしてくれます。

ということで10月のお花を集めてみました。

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