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2017/11/29

水やりは水をやっているだけではありません。

植物を育てていて、皆さんが一番気になるのが水やりです。前回書いたように本当は暗さが原因で枯らしてしまうことが多いのですが、やはり水やりもやり方によっては深刻な状況になってしまいます。ここからはしばらく水やりについて書きたいと思います。

水やりというぐらいですから、植物に必要な水を与えているのが水やりなのですが、実はやっているのは水だけではなく、新鮮な空気を与えているという視点が大切です。

根っこは水を吸収し、植物を支えている器官なのですが、植物の体はすべて呼吸しているので、根っこもまた呼吸しています。人間も皮膚呼吸をしていますが、それと同じような感覚です。呼吸は酸素を取り込んで二酸化炭素を排出するのですが、要は土の中に新鮮な空気が必要になるわけです。

鉢植えの水やりは、基本的には(多くの植物においては)、鉢の表面の土が乾いたら底の穴から水が出るぐらいの量の水を与える、というのが正しいやり方です。この水やりをした場合に鉢の中ではどんな状態になっているのでしょうか。

底穴から水が出るくらいのたっぷりの水をやると、いったん鉢の中は水で満たされます。そして底の穴から水が抜けていき、土の上にたまっている水は下にひいていきます。水で満たされているときには、鉢の中にはほとんど空気は存在しません。水浸しの状態です。そして穴から水が抜けていくと上から水が引いていきますが、水が引いた状態というのは隙間があるということで、隙間があれば間違いなくそこには空気が存在します。つまり水が引いていくにつれて、鉢に中に上から空気が侵入していくということになります。完全に水が引き、鉢底からもう水が出なくなった時点で、鉢の中の空気は新鮮な空気に更新されています。

この空気があることで根っこは呼吸ができるのです。呼吸ができれば根っこの細胞は活性化し元気に活動します。その結果として呼吸をし、徐々に二酸化炭素を放出します。この二酸化炭素は土の中の空気はそうそう入れ替わらないので、どんどん濃度が上がってしまいますが、水がなくなるにつれて少しづつ新しい空気は上から入っていきます。それでも二酸化炭素の濃度は上がってしまうのですが、そのころには水が切れますので、次の水やりの時に新しい空気を入れてやればまた新しい空気で呼吸をすることができます。

時々水を切らすことを恐れるあまり、あるいは水やりを日課にしてしまって、少量の水を毎日与えるという水やりをする方がいらっしゃいます。この方法では水は切れませんが、空気の入れ替えがほとんどできませんので、結局呼吸ができずに細胞が死んで腐り始めます。これが根腐れという状態です。

 

つまり鉢植えの水やりというのは、水を与えているだけではなく、新鮮な空気を与えているのだ!ということを理解すれば、水やりは間隔をあけて、土が乾燥してきたらたっぷりと与える、という方法が正しいことが理解できると思います。この「なぜそういう方法なのか」という視点で考えることが、園芸上達の近道でしょう。

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