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2017/11/08

農業の農とはどういうこと?

今回は「農」という言葉について書きたいと思います。

 

農という漢字は農業に関すること以外ほとんど使うことがないと思います。そのため意味が今一つ漠然としていて今一つよくわからない気がします。
ネットで調べても、「田畑を耕して穀物や野菜などをつくる。」とか「農業(のうぎょう)とは、土地の力を利用して有用な植物を栽培し、また、有用な動物を飼養する、有機的な生産業のこと。(ウィキペディア)」などと書かれていて、それでも少しわかりにくいのではないでしょうか。

 

私なりにわかりやすく説明すると、まず膿という漢字を思い出してほしいのです。これは「うみ」で、人の体の炎症部などで自然発生的に生まれてくるものです。この漢字からヘンであるところの「月」を取り除いたものが「農」だということになりますから、農は自然に生まれてくるものであり、農業は自然に生まれてきたものを得るための仕事ということになります。

 

農業という仕事をよく眺めてみると、例えば米作りでもいいのですが、種をまいて苗を育て、田を作り水を張り、それを植えて草を抜き農薬や肥料をやりと、手間暇をかけて育てた挙句に刈り取ってコメをいただくのですが、よく考えてみれば人間は稲という植物の周りでいそいそと働いてはいますが、実際米という実を作っているのは稲という植物であり、人間はその環境を整えて手助けしているだけなのです。たとえば鉄鉱石から鉄を作り、その鉄からねじを作るような、積極的にかかわって元の姿とは全く別なものを作り出す人間の営みとは違っています。農業は植物が花や実などを作り出す営みを手助けしているにすぎないのです。

 

この「作るのは植物で、人間は環境を整えるのが仕事!」という点をしっかり理解すると、園芸においても植物とのかかわり方が変わってくるのではないでしょうか。たとえば桜の木は、ほっておいても春になれば花は咲くかもしれません。実際山に自生している桜は何もしないでもきれいに花を咲かせます。しかしそれを公園に植え替えればどうでしょうか。植替えの時に根が傷んでうまく育たなかったり、山に植わっていた時には気づかなかった虫がついていることに気づいて殺虫剤をやることになったり、山であればそれほどでもなかった雑草が桜の足元にぼうぼうになれば木の育ちも悪くなってしまいます。また大きくなり過ぎればどこかの枝を切らなくてはいけないといったこともあるでしょう。

植物が自然界から離れて人間の世界に足を踏み入れた時から、植物は一人で生きていくのは困難で、人間の手助けを必要とするのです。そこから園芸が生まれ、また収穫を目的とすればそれは農業となるのです。

 

どうでしょうか。花屋の経験から生まれてきた私なりの考えですが、農という言葉の意味をくみ取っていただければ幸いです。

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